となりの家のお姉さんが駆け寄ってきました。
「太田さん、ニュース見たよ。映ってたじゃん」
新型コロナのためにお休みしていた、山梨県内の文化施設が再開したというニュースです。
今話題の「ヨゲンノトリ」を所蔵している山梨県立博物館がとりあげられました。(「ヨゲンノトリ」については後述します)
その日たまたま博物館へお伺いした私が、なんとニュースに映ってしまったのです。
いやぁ、はずかしい。
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実は、仕事の所用も兼ねて訪れたのです(だから胸元に名札を付けています)。
用事がすんだら展示を拝見するつもりで楽しみにしていたものの、まさかですよねぇ…
駐車場に着くと、ものものしい雰囲気だったんですよ。
事情を知らないため「事件でもあったのかな、入れないのかな」と心配になって、うちの見習いに電話したほどです。
「博物館さんは今日が再オープン初日ですよ。規制とか検温とかでいつもと違う雰囲気なんじゃないんですかぁ」
のんきな見習いに言われて「ああ、そうなんだ」と思ってノコノコ行くとカメラが…
毎日新聞の記者さん、テレビ局のスタッフさんにお話しすることになってしまいました。まったく心の準備がないのですから、そりゃぁあわてましたね。
テレビではその日の夕方のニュースで放送されたようです。翌日おとなりさんから聞いて知り、インターネットで確認しました。
テレビ山梨(YBS)さんと山梨放送(UTY)さんでした。
ドキドキしていたので、何を話したかも覚えていませんでした。
●山梨放送さんの「YBS ワイド ニュース」
県立博物館、文学館、考古博物館などが開館
2020.05.22 18:51
新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、休館が続いていた県立の文化施設が開館した。
来館者からは「コロナを一瞬でも忘れられる」と歓迎の声があがった。
※放映された映像は今は見られません
●テレビ山梨さんの「UTY ニュース」
来場者を検温 入場制限も 山梨県立博物館 3か月ぶりに再開
2020.05.22 19:00
※YouTubeで限定公開
https://youtu.be/R7J450_6fis
うちの見習いがゲラゲラ笑いながら、
「事前準備なしであれだけ話せれば、100点満点」
「YBSさんとUTYさんと、それぞれに違うコメントを述べられたのは、1万点」と言ったので良しとします。
でも、博物館での予期せぬ出来事に動揺してしまい、「ヨゲンノトリ」特設コーナーをうっかり写真に撮ってこなかったことが悔やまれます。
「ヨゲンノトリ」が描かれている書物『暴寫病流行(ぼうしゃびょうりゅうこう)日記』は、2020年8月17日(月)まで公開されているので、チャンスを逃さずまた行くつもりです。
2020. 06. 05.
日本ぶっくあーと
太田唯男
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【追記】「ヨゲンノトリ」と「安政のコレラ」について
江戸時代後期の安政5(1858)年のことです。長崎を発端としたコレラが全国で猛威をふるいました。
甲府でその病が広がり始めるころ、いまの山梨市の役人・喜左衛門がたまたま甲府に滞在していて、市中での感染拡大の状況を『暴瀉病流行日記(ぼうしゃびょうりゅうこうにっき)』に記録しました。
(※暴瀉病=コレラ)
犠牲者が増え続ける中、喜左衛門が耳にして『日記』に残したのが、「ヨゲンノトリ」のお話です。頭がふたつあり、疫病の大流行を予言してこう告げたと記されています。
「我らの姿を朝夕に仰ぎ、信心するものは必ずその難を逃れることができるであろう」
このときのコレラは「安政のコレラ」として知られています。江戸での犠牲者は3~4万人と伝えらていて、その中には浮世絵界のスーパースター、初代・広重も含まれています。