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1887年、旧ロシア領(現ベラルーシ)のヴィテブスクに生まれる。サンクト・ペテルブルクの美術学校で学んだ後、1910年(23歳)にパリへ留学。キュビスムなど当時の前衛芸術の洗礼を受けながらも、故郷への愛とユダヤの神秘を融合させた独自の色彩世界を確立。
恋人たちや、花束、サーカス、動物といったモチーフを、まるで夢の中のような構図で描き出し、「愛の画家」として20世紀を代表する詩的で幻想的な芸術世界を築き上げた。
1959年(72歳)、旧約聖書のイスラエル12支族をテーマに、エルサレムのシナゴーグを飾る12枚のステンドグラスを制作。1962年にリトグラフ版画集『エルサレムウィンドウ』として刊行されたこの作品は、ユダヤ人としての魂を刻んだ傑作として広く知られている。
1964年(77歳)、フランス文化相アンドレ・マルローの依頼により、パリ・オペラ座(ガルニエ宮)の天井画《夢の花束》を完成させた。モーツァルトやワーグナーなど、14人の偉大な音楽家と名作オペラ・バレエへのオマージュが込められたこの大作は、現代もなおパリが誇る至宝として輝き続けている。
1966年(79歳)にサン・ポール・ド・ヴァンスに居を構え、以降も絵画の枠を超え、ステンドグラスや陶器、舞台美術など多彩な表現に取り組んだ。
1974年(87歳)には古代ギリシアの叙事詩「オデュッセイア」をテーマに制作した43点のカラーリトグラフ『オデッセー』を刊行し、南仏時代を代表する傑作として高く評価されている。
97歳でこの世を去るまで、2度の世界大戦や迫害を経験したが、一貫して「愛」と「平和」のメッセージを作品に刻み続けた。どの流派にも属さず、自らの魂の声に従い続けたシャガールの芸術は、時代を超えて世界中で深く愛されている。
国立マルク・シャガール聖書のメッセージ美術館(ニース)、ポンピドゥー・センター(パリ)、ニューヨーク近代美術館(MoMA)、パリ・オペラ座(天井画)、メス大聖堂(ステンドグラス)、青森県立美術館 ほか