価格:275,000円(税込) 37%OFF
「オレンジ」 が額に入っています。額縁裏面の留め具はかんたんに外すことができます。作品を入れ替えてお楽みいただけます。
各版画は一枚一枚、タイトル入の保存用紙で保護されています。『オレンジ』以外の8作品は特製ケースに収納されています。『オレンジ』は額縁に入れられています。
序 池田満寿夫
ここに掲載されたリトグラフは一九七六年一月十五日から五月七日までの間に東京池上の南天子画廊版画工房で制作したものである。主にアルミニューム版を用い、作者が直接版の上にリトクレオンと解墨で描き、高月仁氏が製版及び試刷を担当し、後にエディションが刷られた。
このシリーズは、はじめから画集にするつもりで制作されたわけではなかったが、試刷の終わった段階でタイトルをきめる時に画集としてのイメージが出来上った。最初“Fruit Punch”と名附けられたがあとで“Mixed fruit”に変更した。
リトグラフの図版に附けられた詩は、イースト・ハンプトンへ帰宅してから七月下旬、そこで制作した。その後作者自身によって英文に翻訳された。勿論翻訳は作者にとってもはじめての試みである。リランが日本語を読めないので、いわば彼女が理解出来るように英文でもう一つの詩をつくってみたのである。原詩と英詩の間に若干の違いがあるのはそのためである。
一九七六年八月十八日 イースト・ハンプトンにて
1984年頃から陶芸に没頭し、1993年には山梨県増穂町に『満寿夫八方窯』を築窯。ピカソをはじめ、尊敬する多くの西洋作家の刺激を受けて、自由奔放で変幻自在に作品を制作。そのマルチな才能により画家・版画家だけにはとどまらず、作家・彫刻家・陶芸家・脚本家・写真家としても幅広く活躍した。
1965年7月、ニューヨークでの個展を期に池田満寿夫は渡米しました。その後もアメリカ、ヨーロッパ、日本を行き来し活躍。1972年3月からは、ニューヨーク州の高級避暑地イースト・ハンプトンにアトリエを構えました。
1976年作 「Mixed fruits」 詩画集の 「序」 に 「イースト・ハンプトンへ帰宅してから」 とあるのはそのためです。 「リラン」 というのは、当時いっしょに暮らしていた中国系米国人画家リラン・ジーのこと。
「Mixed fruits」 を制作した翌年、 「エーゲ海に捧ぐ」 で芥川賞を受賞。前パートナーの富岡多恵子(小説家)とリランとの三角関係の苦悶も、小説として昇華されたということでしょうか...