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モネ「アルジャントゥイユのひなげし」
画寸:タテ 50 × ヨコ 65.3 cm
技法:カンバスに油彩
制作年:1873年
所蔵:オルセー美術館(フランス・パリ)
モネがこの作品を描いたのは、フランスのアルジャントゥイユに住んでいた頃です。オルセー美術館の解説によると、1871年にイギリスから戻ったモネは、この地の明るい風景の中で戸外制作を深めていきました。《アルジャントゥイユのひなげし》には、夏の日に野を歩くときの、光に満ちた空気感がのびやかに表されています。
画面の中には、手前と奥に母子のように見える二組の人物が描かれています。同美術館では、前景の女性と子どもは、モネの妻カミーユと息子ジャンである可能性が高いと説明しています。人物そのものを細かく描き込むのではなく、赤いひなげしのリズムや、緑と青を帯びたやわらかな色面によって、散歩のひとときの印象が生き生きと伝わってきます。
《アルジャントゥイユのひなげし》は、《印象・日の出》と同じ1874年の第1回印象派展に出品された作品です。印象派が誕生した最初の展覧会を彩った代表作のひとつであり、モネが「見たままの風景」だけでなく、「その場の光や空気の印象」そのものを絵にしようとしていたことがよく分かる一枚です。
1840年、フランス・パリに生まれる。青年期をル・アーヴルの港町で過ごす。16歳で画家の道を歩み始め、1870年(30歳)、普仏戦争を避けて滞在していたロンドンでターナーやコンスタブルの作品に触れ、外光がもたらす明るい色彩表現に開眼した。写実的で堅苦しいサロン(官展)芸術が主流だった当時のフランス絵画界において、その旧態依然とした体制と決別。ピサロ、ルノワール、シスレーらの仲間とともに、1874年に自由な感性で新たなグループ展を開催した。「印象派」という名称は、この展覧会(後に第1回印象派展と呼ばれる)に出品された作品《印象・日の出》に由来している。
時間や季節とともに移りゆく光と色彩の変化を生涯にわたり追求した。1880年代(40代)後半から晩年にかけては、一つのテーマを様々な天候や季節のもとで描く「連作」へと表現を深めていく。特に、ジヴェルニーの自宅の庭に造られた池を描いた《睡蓮》の連作は300点以上制作され、光と色彩の探求におけるモネの芸術の集大成となった。
輪郭線をなくし、自然の光のきらめきをキャンバスに表現したモネの技法は、近代絵画の扉を大きく開いた。とくに、晩年の《睡蓮》に見られる画面構成は、後の抽象表現主義など20世紀美術にも多大な影響を与えている。移ろいゆく自然の一瞬の美しさを永遠に留めたその作品群は世界中で愛されており、印象派を代表する画家としてゆるぎない国際的評価を得ている。
オルセー美術館(パリ)、オランジュリー美術館(パリ)、マルモッタン・モネ美術館(パリ)、ニューヨーク近代美術館(MoMA)、国立西洋美術館(東京)など。






