華やかで官能的な《リポーズ》
優美な女性を魅惑的に描いた、ルイ・イカールによる銅版画(エッチング)。アール・デコを代表する画家ならではの洗練された美意識が感じられる、美しい裸婦像です。
ルイ・イカール (Louis Icart) 1888-1950
トゥールーズから芸術の都パリへ
1888年、南仏トゥールーズの銀行家の長男として生まれる。高等商業学校で金融を学んでいたが、ヴィクトル・ユーゴーの戯曲に触れたことで演劇の世界に魅了され、1907年にパリへ。生活のために働き始めた絵葉書工房で絵画や版画の技術を習得し、20歳で雑誌『演劇批評』の表紙デザインを手がけ、デザイナーとしてのキャリアをスタートさせる。
アール・デコの寵児と「イカール・スタイル」
1920年代には活動拠点をニューヨークにも広げ、優雅で洗練された女性像を描いたアール・デコ様式の銅版画で爆発的な人気を博した。その需要は凄まじく、エッチングやアクアチントの作品が「ヨーロッパ版」と「アメリカ版」の二系統で制作されるほどであった。1927年(39歳)には、その多大なる芸術的貢献が認められ、フランス最高の勲章であるレジオン・ドヌール勲章を受章。フランスを代表するアール・デコ版画家としての地位を確立した。
時代を超えて愛されるモダンな感性
18世紀ロココ美術の華やかさとルネサンス期の古典的な均衡を反映させつつ、当時のモダンな感性を融合させた画風は、繁栄と自由を謳歌した1920年代パリの空気をそのまま閉じ込めたかのようである。その洗練された美の世界は、アール・デコを象徴する作品群として、今なお多くのコレクターに親しまれている。
主な作品収蔵先
ルイ・イカール美術館(京都)など。









