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美術品まめ知識

シルクスクリーンとは

シルクスクリーンとは、版にあけた孔(あな)を通してインクを刷り出す「孔版(こうはん)」と呼ばれる版画技法のひとつです。

スクリーンと呼ばれる細かな網を用いて、インクが通る部分と通らない部分のある版を作り、絵柄を刷ります。このページでは、シルクスクリーンの意味や仕組み、鑑賞のポイント、飾る際の注意点まで分かりやすくご紹介します。

シルクスクリーン版のイメージ画像
シルクスクリーン版のイメージ

シルクスクリーンとは

シルクスクリーンは、目の細かな網を張った版を使って絵柄を刷る技法です。かつては絹の網を使っていたことからこの名前が付きましたが、現在ではナイロンやポリエステルなどの化学繊維も一般的に用いられています。

スクリーンには、インクを通す部分と通さない部分を作ります。インクが通る部分だけが紙や布に刷り出されるため、版を彫る木版画などとは異なる仕組みの技法です。

絵柄が左右反転せず、そのままの形で刷ることができるのも特徴のひとつです。

謄写版(とうしゃばん)や家庭用印刷機「プリントゴッコ」をご存じの方は、原理をイメージしていただきやすいかもしれません。シルクスクリーンはそれらを発展させたもので、美術作品として高い完成度を持つ版画が制作されます。

アンディ・ウォーホルやロイ・リキテンスタインなどのポップアートで広く知られる一方、日本画家や洋画家の版画作品、名画の複製版画、リトグラフとの併用作品などにも用いられます。作家の表現意図や制作方法によって、鮮烈な色彩の作品から、やわらかな階調をもつ作品まで、幅広い表現が可能です。

仕組みと制作方法

木枠や金属枠にスクリーン(細かな網)を張ります。そこに感光剤などを使って、インクを通さない部分(目止め)を作ります。目止めしたところ以外はインクが通り、これが版となります。

刷る際には、版の上に粘性のあるインクを置き、ゴム製のヘラ(スクィージ)で押し出すようにしてインクを通します。スクリーンの孔を通過したインクが、その下に置かれた紙やキャンバスに転写され、絵柄が現れます。

シルクスクリーンの制作風景
シルクスクリーン版画の制作

多色作品の場合は、色ごとに版を作り、位置を正確に合わせながら重ね刷りを行います。この工程によって、鮮やかで発色のよい画面が生まれます。

鑑賞ポイント

シルクスクリーン版画の魅力は、発色の良さと色面の美しさにあります。インクをしっかりと刷り出せるため、色が比較的はっきりと現れ、輪郭の明快な表現や均一な色面を作りやすい技法です。

リトグラフやジクレ、手彩色などと併用される作品では、シルクスクリーンによる色面や質感が、他の技法と組み合わさって画面に奥行きや装飾性を与えます。

飾る際の注意点

シルクスクリーン版画を長く美しく楽しむためには、飾る環境にも配慮が必要です。直射日光や強い光は退色の原因となるため、できるだけ避けるようにしましょう。

また、高温多湿の環境では紙の劣化やシミの原因となることがあります。エアコンの風や加湿器の蒸気が直接当たらない場所に飾ると安心です。

まとめ

シルクスクリーンとは、スクリーンの孔を通してインクを刷り出す孔版の版画技法です。

鮮やかな発色や明快な色面を生かした作品だけでなく、作家や制作方法によっては、繊細な表現にも用いられます。

色の美しさ、版の重なり、画面の質感に目を向けながら、シルクスクリーン版画ならではの魅力をぜひお楽しみください。

文責

nihonbookart-mayumi

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