美術品まめ知識
油彩画とは
特徴
一般的に「油絵(あぶらえ)」と呼ばれています。顔料を亜麻仁(あまに)などの植物の種から採取された油で溶いて、その絵具をテレピン油という精油で希釈して描かれます。顔料は岩石や鉱物などの粉です。それを溶く油は亜麻仁(あまに)のほかに・くるみ・けしなどが一般的です。どの油も酸化乾燥すると固定します。鮮やかな発色はもとより、細部の表現や、ぬり重ねによる重厚な表現ができるのが油絵の特徴です。
鑑賞のポイント
絵の楽しみ方のひとつとして、その作品がもつ肌合いがあげられます。これはマチエールとよばれるもので、画家がとても大切にするものです。絵肌ともいわれます。油絵はぬり重ねの表現ができますから、重厚感や絵具の盛り上がりが楽しめるでしょう。また、油彩画が描かれるのは、布(おもに麻や木綿)や木などです。それらの素材が違えば印象も変わりますので、布や木などの素材と絵具とのふれあい方も見所です。
歴史
油彩は、亜麻仁油の産地だったフランドル地方(現在のベルギー)が発生で、ヤン・ファン・エイク(1390~1441)という画家が兄のフーベルトとともに完成させたといわれています。
顔料に卵を混ぜて描く「テンペラ画」に比べると、油彩画は絵具が乾燥するのに時間がかかります。しかし透明感があって、グラデーションなどの豊かな色調表現も可能なことから、15世紀以降のヨーロッパでは、テンペラ画に代わる技法となりました。
日本で油絵が本格的に知られるようになったのは19世紀、明治初期です。鎖国をしていた日本では長い間外国の文化を学ぶことが厳しく禁止されていたため、油絵の広まりが遅かったのです。開国後まもなくイギリスの報道画家として来日したチャールズ・ワーグマン(1832-91)に、五姓田義松(ごせだ よしまつ)が入門して油彩画を学び始めたのが1865年、そして高橋由一(たかはし ゆいち)が弟子入りしたのがその翌年でした。日本での歴史が二世紀にも満たない油絵は、歴史の長い日本画に対して、「新画」と呼ばれることもあります。
参考:
「岩波 西洋美術用語辞典」益田朋幸・喜多崎親 編著、岩波書店;
「カラー版 絵画表現のしくみ」 森田恒之 監修、美術出版社;
「美術品販売手引書」 ほるぷ営業企画部 編集、ビジョン・ヌーベル社広報部 監修
「カラー版 絵画表現のしくみ」 森田恒之 監修、美術出版社;
「美術品販売手引書」 ほるぷ営業企画部 編集、ビジョン・ヌーベル社広報部 監修
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号数について
絵画のサイズ『号』
絵が描かれる土台となるものを支持体(しじたい)といいます。一般的なのはカンヴァスや板ですが、この支持体の大きさには規格化された寸法があります。『号』という言葉はみなさんもご存知でしょう。「この画家の絵は評価額が1号あたり...」などという表現でおなじみかもしれません。
版画のサイズも『号』?
版画のサイズ表記に『号』は用いません。でも、号数の方がイメージしやすいというお客様もたくさんいらっしゃいます。家の大きさでも「100平方メートル」よりも「30坪」と言われた方が分かる、とおっしゃられるのと同じ感覚でしょう。当ギャラリーでもご要望がある場合は「だいたい10号ぐらいですね」とお答えします。
同じ号数なのに大きさが違う
1号、2号、...100号と、号数が大きくなるにつれてサイズも大きくなります。これはイメージしやすいですね。ところが厄介なのは、同じ号数でもタイプがあることです。一般的に用いられるのは、F、P、Mの3種類で、「F2号」「P2号」「M2号」のように表されます。これは長辺と短辺の比率によってタイプ分けされているのです。基準となる長辺の長さはそのままなのですが、短辺の長さが変わるため「同じ号数なのに大きさが違う」ということになります。
例えば、2号サイズ(フランスサイズ)の場合は以下のようになります。
F、P、Mとは?
それぞれフランス語に由来していて、FはFigure(人物)、PはPayage(風景)、MはMarine(海景)です。しかし、「人物の絵だから“F”」とか「海の絵だから“M”」ということはありません。また、作品全てが号数表のサイズとピッタリ合致するわけでもありません。商品化されたものではなく、ご自身で制作される画家もいらっしゃいますし、絵のイメージに合わせて特注される作家もいらっしゃいます。また、フランスと日本など国によって規格に若干の違いもあります。なお、学術的な記述では『号』という単位は使われません(センチメートル、インチなどで記載)。
これって何号?
絵の号数を調べるときは、カンヴァスや板など支持体の長辺(長い方)を基準にします。タテ長の作品でも横長の作品でも同じです。例えば、「長い方」が「24センチ」でしたら「2号」です。
額縁に入っている場合、見えている部分が実際よりも小さいことにお気づきでしょうか?(上図参照)。デザインにもよりますが、数センチ~数十センチ額に隠れています。額に入った状態で測るときは、この差を考慮しなければなりません。
洋画号数寸法表
以下に寸法表を掲載します。「フランスサイズ」と「日本サイズ}の2種類です。
フランスサイズ(cm)
号数 | |||
---|---|---|---|
0 | |||
1 | |||
サムホール | 22×16 | 22×14 | 22×12 |
2 | 24×19 | 24×16 | 24×14 |
3 | 27×22 | 27×19 | 27×16 |
4 | 33×24 | 33×22 | 33×19 |
5 | 35×27 | 35×24 | 35×22 |
6 | 41×33 | 41×27 | 41×24 |
8 | 46×38 | 46×33 | 46×27 |
10 | 55×46 | 55×38 | 55×33 |
12 | 61×50 | 61×46 | 61×38 |
15 | 65×54 | 65×50 | 65×46 |
20 | 73×60 | 73×54 | 73×50 |
25 | 81×65 | 81×60 | 81×54 |
30 | 92×73 | 92×65 | 92×60 |
40 | 100×81 | 100×73 | 100×65 |
50 | 116×89 | 116×81 | 116×73 |
60 | 130×97 | 130×89 | 130×81 |
80 | 146×114 | 146×97 | 146×89 |
100 | 162×130 | 162×114 | 162×97 |
日本サイズ(cm)
号数 | |||
---|---|---|---|
0 | 17.9×14.0 | ||
1 | 22.1×16.6 | ||
サムホール | 22.8×15.8 | ||
2 | 24.0×19.0 | ||
3 | 27.3×22.1 | 27.3×19.1 | 27.3×16.1 |
4 | 33.4×24.3 | 33.4×22.0 | 33.4×19.1 |
5 | 35.2×27.0 | 35.2×24.0 | 35.2×22.1 |
6 | 41.0×31.9 | 41.0×27.3 | 41.0×24.3 |
8 | 45.5×37.9 | 45.5×33.4 | 45.5×27.3 |
10 | 53.0×45.5 | 53.0×41.0 | 53.0×33.4 |
12 | 60.6×50.0 | 60.6×45.5 | 60.6×41.0 |
15 | 65.2×53.0 | 65.2×50.0 | 65.2×45.5 |
20 | 72.8×60.6 | 72.8×53.0 | 72.8×50.0 |
25 | 80.4×65.2 | 80.4×60.6 | 80.4×53.0 |
30 | 91.0×72.8 | 91.0×65.2 | 91.0×60.6 |
40 | 100.0×80.4 | 100.0×72.8 | 100.0×65.2 |
50 | 116.7×91.0 | 116.7×80.4 | 116.7×72.8 |
60 | 130.3×97.0 | 130.3×89.5 | 130.3×80.4 |
80 | 145.5×112.2 | 145.5×97.0 | 145.5×89.5 |
100 | 162.1×130.3 | 162.1×112.2 | 162.1×97.0 |
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リトグラフとは
リトグラフって何ですか?
リトグラフは版画技法のひとつです。
石版画(せきはんが)、 リトグラフィー(フランス語)とも呼ばれます。
石版ということは、石を彫って作るの?
リトグラフは原版を彫りません。版画といえば、浮世絵でおなじみの木版画(もくはんが)を思い出されるかもしれません。木版画は、木の板を彫刻刀で彫りますね。彫ったところは凹となりインクが付かないので、刷ると白い部分になります。逆に、彫らずに残したところは凸となりインクが付きますので、刷ると紙にその部分のインクが移ります。リトグラフは彫る代わりに、化学処理をすることでインクが付くところと付かないところを作ります。彫らずに、なぜ版画ができるの?
化学反応と、油と水とが混ざらない性質を利用して、版にインクが付くところと付かないところを作ります。どうやって作るの?
油性のリトクレヨンや絵具で原版に直接絵を描きます。そのあと薬品を用いてその絵が版に定着するよう処理をして版が作られます。手間がすごくかかります。
リトグラフができるまで
ご参考までにディスカバリーチャンネルの動画です。制作されているのはシンプルなモノクロ作品です。
原版は石?
リトグラフの「リト」とはギリシャ語の「石」を意味するlithosに由来しています。
「グラフ」はギリシャ語の「描く、記す」を意味するgraphiaが語源です。つまり「石に描く」ということです。ただし、その石は何でもいいわけではありません。リトグラフに使われるのは石灰岩です。
なぜ石灰岩?
石灰岩にはスポンジのように無数の微細な孔(あな)あって、水分や油脂を受け付けやすいという性質があります。また石灰石のカルシウムと薬品の化学反応を利用して絵の部分を定着させることから石灰岩が適しているのです。
どこの石灰岩?
伝統的なリトグラフではヨーロッパの石が使われます。代表的なのは南ドイツ・ゾルンホーヘン産のものです。18世紀末(1798年)にリトグラフの技法を発明したドイツ人のアロイス・ゼネフェルダーが、
南ドイツで採れる石を用いたのが始まりです。
石灰岩以外でもリトグラフが作られるの?
現在では多様な版材が使われるようになりました。石は重い・値段が高い・磨くのが大変、という理由から亜鉛(ジンク)版やアルミ版などの薄い金属版が主流となりました。
リトグラフの特徴は?
白黒ではない、多色リトグラフの場合は、色の数と同じだけの版が必要です。つまり、15色使いたいと思ったら15版必要になります。非常に正確な目印をもとに何色も色が重ねられますので明るくてカラフルな作品となります。装飾性に優れていて油絵とは違った趣が楽しめるのが特徴です。
刷られる数は?
1つの作品で制作される数は限られていて、何枚刷るかは通常作家側が決めます。50部しか作らないものから300枚前後と様々ですが、あくまでも限定刷りですので刷り終了後は石版上のデッサンを消してしまいます。
限定数(エディション番号)とは?
刷りあがった作品は、一枚一枚出来具合がチェックされ、品質が保証されると番号が記入されます(エディション番号)。分数の場合は、分母が作品の限定数で分子が刷り番号です。しかし、刷り番号は必ずしも刷り順と一致していません。また、技術的にも早い番号のほうが刷り質が優れているということはありません。
限定番号が数字ではなく文字の場合もある?
画家は制作料を版元から受け取るとともに、若干の作品を保有できることになっています(作家保存版)。通常は、総刷り数の約5%です。限定番号の代わりに、E.A.またはEpreuve d' Artiste (エプルーブ・ダルティスト/フランス語)と記入され一般にEA版と呼ばれています。E.A.ではなくA.Pと記入されることもあり、これは Artist's Proof(アーティスツ・プルーフ/英語)の略です。
EA版やAP版のほうが価値がある?
版元で刷り番号入りの作品が売り切れた場合、作家からこのEA版やAP版を買い取り市場に出すことがあります。たまに「EA版は価値がある」と言って販売している業者もいるようですが、作品の品質も価値も番号入りのものと変わりません。実際、私達の取り扱ったオリジナルリトグラフの中でEA版と限定番号版との違いから価格に差をつけて売ったことは一度もありません。H.C.と記入された作品もありますが、これは Hors Commerce(オル・コメルス/フランス語)の略で非売品という意味です。美術館への見本など非売目的で一定枚数刷られますが、こちらもEA版と同じように市場に出されることがあり、限定番号入りの作品と品質も価値も同じです。
エスタンプとは
スタンプ? ハンコって意味なの?
エスタンプとは複製版画のことです。フランス語のestampe、もともとは版画全般を意味する言葉でしたが、近年は複製版画の意味で使われています。
複製版画って何?
版画の為の下絵からではなく、既に描かれている油絵、水彩、グワッシュ(不透明水彩)、素描(鉛筆、チョーク、によるデッサン)などのオリジナルとして存在する原画をもとに、職人が版に絵を描くか写真製版の手段を用いて製版して、刷られたものです。原画を描いた画家がこの版画制作に関わることはありません。
著作権は大丈夫?
複製画を作成するために、著作権所有者である作家本人または相続人に許可を得ます。日本とヨーロッパとでは著作権の年数が違いますが、無許可で制作するのは法律違反で“海賊版”といわれます。
オリジナル版画との違いは?
画家自身が制作に関わる版画をオリジナル版画といいます。オリジナル版画に比べるとエスタンプは手ごろな価格でご購入いただけるので広く普及しており、インテリアとして掛けるには最適でしょう。原画に忠実に作られた作品ではありますが、エスタンプはあくまでも“複製”です。残念ながら美術品としての価値はありません。
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カーボランダムとは
特徴は?
カーボランダムは、版画技法のひとつです。木版画と違い、原版を彫らずに制作されます。版に特殊な混合物を塗ってボコボコとした起伏を作り、その凹凸(おうとつ)部分に彩色、プレスして用紙に刷るという技法です。作品はレリーフ状で、この立体感がカーボランダム版画の大きな特徴です。
原理は?
カーボランダムとは炭素とケイ素が結合した物質(炭化ケイ素)です。「硬い、アルカリや酸に侵されにくい、熱に強い」といった特長があります。
どうやって作られるの?
カーボランダムを細粒状にしたものとプラスチック樹脂などを混ぜて版に塗ります。金属版やプレキシガラスなどが版に使われますが、塗られた部分は乾燥すると非常に硬くなって表面がデコボコのレリーフ状になります。そしてこの版にインクを塗って用紙に刷りとれば作品ができるというわけです。
どうやって刷るの?
刷るときは、プレス機で強い力を加えて(圧力17トンまで)紙を押さえ込みます。紙はあらかじめ霧吹きなどで湿らせて柔らかくしておきます。プレス時に凹凸(おうとつ)で破れないような厚い紙(600g/m2)がよく用いられます。プレス効果で、用紙には原版のかたちどおりの凹凸(おうとつ)と、色が付きます。さらに、刷り上がったあとに手で彩色されたり、コラージュが施されたり、プレスと彩色を何度もくり返して仕上げられたりなど、制作工程の違いによって作家や作品のオリジナリティーが生み出されます。
鑑賞のポイント
凹凸(おうとつ)による立体感が大きな魅力であるのは言うまでもありません。インクは凸部にも凹部にも塗布することができますので、色の濃淡が楽しめます。非常に変化に富んだ表現と構成による独特の世界感も魅力です。
歴史
画家のアンリ・ゲッツ(1904-1989)が、従来の版画の難しさを克服するために新たな技術を研究し、1960年代に完成させました。ミロ(1893-1983)、クラーベ(1904-1989)をはじめ、パパー、コワニャ、エレノン、ブリッソン、コタボ、ヴァイデリッヒほか多くの作家がカーボランダムという革新的な版画技法を用いて作品を制作しています。
参考
「ESTAMPEの技法」 ビジョン・ヌーベル社 編集
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カーボランダム版画の販売ページはこちらから
ジクレとは
ジクレも版画なの?
ジクレは版画技法の一種です。最新のコンピュータ技術を駆使して作られるハイテクな高画質印刷による版画です。
どうやって作られるの?
従来の版画、例えばリトグラフや木版などのように版は使いません。また、シルクスクリーン版画で用いられるようなスクリーンも使いません。キャンバスや版画用紙に、インクがダイレクトに吹き付けられることで高精細な画面が再現されます。ジクレの語源であるgicleeはフランス語でインクのふきつけを意味しています。
どんなインクが使われるの?
ジクレ専用のインクジェットプリンタからは耐光性に優れた高性能の顔料インク噴射されます。これは驚くほど微細なインクの粒子で、使われる機械にもよりますが、粒子の直径は最小で約15ミクロン。人間の赤血球ぐらいの大きさとのことです。
作品の再現性は?
毎秒約4百万以上のミクロ粒子が噴きつけられて、7万色以上もの微細な色彩表現が可能とされます。ですから、原画に忠実な表現、つまり筆遣いや微妙な色彩の変化などを逃すことなく正確に再現することができるのです。実際、この最新ハイテク版画技術は、現在では最も原画に近い版画の制作方法であると知られています。また、美術品市場で認知されているという点からも優れた技法であるということがお分かりいただけると思います。
ジクレ版画でも作品によって見た目が違うのはなぜ?
仕上がりは通常、表面が乾燥した感じです。作品によってはさらに手が加えられ仕上げられます。例えば、シルクスクリーンで透明のニスをかけたり、その他の特殊加工を施します。他の技法を併用することで質感が変わります。
ジクレ版画でも値段が全然違うのはなぜ?
ジクレ技法で同じ原画作品の版画をつくったとしても、様々な要因で作品の仕上がりには格段の差がでてしまいます。これらの差は作品の価格差にもつながります。
一例:
● 原画データの精細さ
● ジクレ用インクジェットプリンタの種類
● 顔料インクの種類
● インクを噴きつける支持体(土台となるもの/油彩用キャンバス・紙等)
● 併用する技法 など
● 原画データの精細さ
● ジクレ用インクジェットプリンタの種類
● 顔料インクの種類
● インクを噴きつける支持体(土台となるもの/油彩用キャンバス・紙等)
● 併用する技法 など
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シルクスクリーンとは
シルクスクリーンは版画なの?
シルクスクリーンとは、原版に穴をあけて、そこから紙面にインクを刷り込む【孔版】と呼ばれる版画技法のひとつです。謄写版(とうしゃばん)をご存知の方は、その謄写版を大きくしたものと思っていただけますとイメージしやすいでしょう。また『プリントゴッコ』という家庭用印刷機を覚えていらっしゃる方も原理を理解しやすいと思います。
どうやって作るの?
枠にナイロンや目の細かい絹網(スクリーン)をはります。何らかの方法でスクリーンの網目を部分的につぶして(目止め)インクが出ない部分をつくります。目止めしたところ以外はインクが通り、これが版となります。版上に粘性のインクを流し込み、これをゴム製のヘラ(スクィージ)で伸ばします。版を通して押し出されたインクによって、その下に置かれた紙に絵柄が刷りだされるというのがシルクスクリーンの簡単な原理です。
ほかの版画技法と何が違うの?
木版、石版、銅版など版画のつくりかたは色々ありますが、シルクスクリーンは絵が反転せずにそのままの形で刷り上がる技法です。東アジアでは染色用に用いられていた技法のようです。アメリカでは1920年代に、ヨーロッパでは1950年代に始められるようになりました。特に、ヴァザレリ、マヴィニエなどのオプティカルアーティスト、ロイ・リキテンスタイン、ジム・ダインなどのポップアーティストたちはその鮮烈な色彩効果ゆえにシルクスクリーン技法を高く評価しました。
シルクスクリーン作品ができるまで
ご参考までにイギリス・テート美術館の動画です。アンディー・ウォーホルがどのようにシルクスクリーン版画を作ったか再現されています。
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