明るい黄色と深い青が印象的!
カフェの鮮やかな黄色と、星月夜の深い青が印象的なゴッホ《夜のカフェテラス》。明るい光に照らされたテラスと、奥へ続く石畳の街並みも美しい一枚です。
あたたかみのある黄色と、深い青のコントラストが空間を引き締め、飾るとお部屋に彩りを添えてくれます。ゴッホの名画らしい存在感がありながら、インテリアとしても取り入れやすい作品です。
キャンバスにジクレ・シルクスクリーンで制作された複製画。原画は、世界最大級のゴッホコレクションで知られるクレラー=ミュラー美術館に所蔵されています。
作品仕様
- 画寸
- タテ 52.0 × ヨコ 45.0 cm
- 額寸
- タテ 68.0 × ヨコ 60.5 cm
- 技法
- キャンバスにジクレ・シルクスクリーン
- 状態
- 良
- 付属品
- 額付き
- モチーフ
- 風景、カフェ、アルル
原画について
原画所蔵:クレラー=ミュラー美術館(オランダ・オッテルロー)
原画制作:1888年
【まめ知識】ゴッホ《夜のカフェテラス》の秘密
南仏プロヴァンス地方の古都、アルル。ゴッホが1888年2月から約1年3ヶ月を過ごし、数々の名作を生み出した街です。そのアルル中心部のフォールム広場(Place du Forum)には、現在も《夜のカフェテラス》の舞台として知られる場所が残されています。
ゴッホは想像でこの風景を描いたのではなく、実際に夜の広場へ出て、ガス灯に照らされたカフェの情景をその場で描きました。
所在地(カフェ・ヴァン・ゴッホ):
11 Place du Forum, 13200 Arles, France
ダラス美術館のデッサンとの違い
アメリカのダラス美術館(Dallas Museum of Art)には、ゴッホが1888年9月に葦ペンとインクで描いた《夜のカフェテラス》関連のデッサン(素描)が所蔵されています。
油彩画とほぼ同じ構図で描かれていますが、見比べてみるとひとつ大きな違いに気がつきます。それは「画面右側の木」です。
このデッサンには、油彩画の手前右側に大きく描かれている暗い木のシルエットが存在しません。画面に奥行きを出したり構図を引き締めたりする目的(ルプソワール効果)で、油彩画を仕上げる際に、後から意図的に木を描き加えたのではないかと考えられています。
黒を使わずに描かれた「夜」と星空の秘密
ゴッホはこの作品を描いている最中、妹のヴィルヘルミナ(ヴィル)に宛てて手紙を書いています。「夜の絵なのに、黒を一切使わずに美しい青や紫、緑だけで描いているんだ」と興奮気味に語っており、真っ黒に塗りつぶすのではなく、色彩豊かに夜の闇を表現するという画期的な挑戦をしていました。
また、夜空に輝く星々の配置にも秘密があります。一見すると適当に星を散りばめたように見えますが、天文学者の研究によって、これが1888年9月中旬ごろのアルルの夜空と一致することが判明しました。ゴッホが実際に夜空を見上げながら忠実に描いていたことがうかがえます(この作品は、ゴッホが描いた最初の星空で、のちに描かれる《ローヌ川の星月夜》や《星月夜》へと「星空」シリーズが続きます)。
(文責:nihonbookart-mayumi)
フィンセント・ファン・ゴッホ (Vincent van Gogh) 1853-1890
27歳からの出発とパリ生活
1853年、オランダ南部ズンデルトで牧師の次男として生まれる。伯父が営む名門画廊の店員、教師、説教者など職を転々とした後、27歳という遅いスタートで画家になる決心をする。1886年に画商の弟テオを頼ってパリに出て、当時の芸術家たちと深く交流。印象派の明るい色彩や、浮世絵の斬新な構図に強い影響を受け、独自の画風を模索し始める。
南仏アルルでの理想と苦悩
日本文化と日本人に理想の姿を重ねたゴッホは、1888年、さらなる太陽の光を求めて南仏アルルにアトリエを構える。画家たちを集めた芸術家共同体の設立を夢見るものの、親友ゴーガンとの共同生活はわずか2ヶ月で決裂。その後、精神を病み、入退院を繰り返す苦難の日々を送ることになる。
活動期間と驚異的な制作スピード
37歳という若さで世を去り、画家としての活動期間は約10年間と極めて短かったが、その情熱は凄まじく、油彩約800点、水彩・素描など約1,000点を遺した。特にアルルでの15ヶ月間には約200点もの作品を制作。現在「傑作」と称えられる作品の多くは、晩年のわずか2年半(1888年2月?1890年7月)という驚異的な短期間に生み出されたもの。その圧倒的な色彩と荒々しい筆致は、《ひまわり》や《星月夜》といった美術史に燦然と輝く代表作において最も成熟した形で示されている。
美術史における確固たる評価
生前は1枚の絵しか売れなかったと言われており、37歳の若さで自ら命を絶つという最期を遂げたことから、「悲劇の画家」と語られることも多い。しかし、うねるような筆致と強烈な色彩で人間の内面や生命のエネルギーを表現したその作品は、フォーヴィスム(野獣派)や表現主義など20世紀の近代美術に決定的な影響を与えた。孤高の魂がカンヴァスに刻み込んだ情熱の軌跡は、今もなお世界中の人々の心を強く揺さぶり続けている。
主な作品収蔵先
ゴッホ美術館(アムステルダム)、クレラー・ミュラー美術館(オランダ)、オルセー美術館(パリ)、ニューヨーク近代美術館(MoMA)、SOMPO美術館(東京) ほか









