愛らしい表情が魅力
NHK「みんなのうた」のイラストや、「月刊ラジオ深夜便」の表紙絵でも親しまれている中島潔の作品です。2010年に京都・清水寺成就院の襖絵を奉納し、特別番組の放映を機に、いっそう注目を集めました。
梅の木にほおずえをつく女の子の表情が、とても魅力的な一枚です。
作品仕様
- 技法
- 木版画
- 画寸
- タテ 42 × ヨコ 30 cm
- 額寸
- タテ 65.7 × ヨコ 53.8 cm
- サインなど
- 作家直筆サイン、落款、タイトル書きあり
- その他
- 額付き
中島潔 (Kiyoshi Nakashima) 1943-
独学での出発と「風の画家」への道
1943年、旧満州に生まれ、翌1944年に両親の故郷である佐賀県へ戻る。1961年(18歳)の高校卒業後、母の死をきっかけに上京を決意し、伊豆で働きながら独学で絵を学んだ。1964年(21歳)に東京の広告会社に就職し、アートディレクターとして数々の賞を受賞する。
1971年(28歳)、半年間パリを放浪。美術学校での学びや美術館巡りを通じて描くことへの自信を深めた。1982年(39歳)、「NHKみんなのうた」のイメージ画を手がけたことで一躍全国的な注目を集めた。
郷愁を誘う童画と詩情あふれる世界
「風の画家」として広く知られ、どこか懐かしく温かい日本の原風景の中に愛らしい子どもを描く「童画」や、憂いを帯びたはかなげな女性像で人気が高い。また「源氏物語」や金子みすゞの詩をテーマにした連作など、文学と深く結びついた大作も数多く手がけている。
人々の心の機微を詩情豊かに描き出し、静かな情感をたたえた人物表現には独特の叙情性が漂う。日本画の枠にとらわれない温もりある世界観は、世代を超えて多くの共感を呼んでいる。
国内外での活躍と集大成の奉納
1987年(44歳)にボローニャ国際児童図書展グラフィック賞を受賞。1990年(47歳)には中国文化庁に招待され、北京・故宮で初の海外展を開催した。1994年(51歳)に「源氏物語の女」、1996年(53歳)に「わが心のうた・ふるさとの詩」を発表し、全国で巡回展を開催。
1998年(55歳)には「源氏物語五十四帖」を完成させ、2001年(58歳)にはパリの三越エトワール美術館で個展を開催するなど精力的に活動。そして2010年(67歳)、5年の歳月をかけて完成させた四室46面にも及ぶ大作のふすま絵を、京都・清水寺の成就院に奉納するという歴史的偉業を成し遂げた。
主な作品収蔵・奉納先
音羽山 清水寺 成就院(ふすま絵奉納)、佐賀県立美術館(郷土美術館)など。









