「動き」と「スピード」の巨匠による珠玉のパステル画
海辺を駆けるサラブレッド。本作の舞台は、フランス北西部の英仏海峡に面した町、ドービル(Deauville)です。
波打ち際を颯爽と駆け抜ける馬たちの、筋肉の躍動としなやかな美しさ。ノルマンディー特有の湿り気を帯びた海風の中、水音を立てて疾走する一瞬が見事に捉えられています。
美しき海岸線を軽やかに駆け抜ける
馬の脚やたてがみ、騎手の姿は輪郭線が曖昧に描かれています。その素早い筆致からは、潮風を切るスピード感や、馬の荒い息遣いまでもがリアルに伝わってくるようです。
溶け合うように広がる空と雲。潮が引いたばかりのしっとりと濡れた砂浜。点在する水たまりは鏡のように風景を映し、画面に彩りを添えています。グレーとブルーのやわらかなトーンが織りなす静寂を破るかのように、駆け抜ける馬とジョッキーたちの色彩がアクセントとして輝いています。
画家が紙面に直接想いを込めた、一点物の直筆パステル画です。
「動き」と「スピード」を追求し続けてきたフランス現代美術の巨匠ドートルローの卓越した感性。パステルならではのやわらかな色彩と粉の質感が息づく原画の魅力を、ぜひお手元でご堪能ください。
額のマット部分にパステルの粉が付着しているため、特別価格にてご提供させていただきます。作品自体に問題はありません。
作品仕様
- 技法
- パステル
- 画寸
- タテ 22 × ヨコ 29 cm(F3号相当)
- 額寸
- タテ 52 × ヨコ 59.5 cm
- サインなど
- 作家直筆サインあり
- 限定
- 1部(原画・真作)
- 状態
- 良
- 付属品
- 額付き
- 特記事項
- 額のマット部分にパステル粉の付着あり
- モチーフ
- 風景、海、馬
「ノルマンディーの女王」ドービル
フランス国内でも別格の評価を受けているドービルは、古くから上流階級や文化人に愛されてきた町です。街全体が優雅な気品を漂わせており、その美しい景観はノルマンディーの女王と称えられ、シャネルも愛したヴァカンス地として知られています。
カジノや多くの高級ホテルが立ち並ぶエレガントなリゾート地で、海のすぐそばには華やかな夏競馬で知られる「ドーヴィル競馬場」があります。競走馬たちが長い砂浜へと降り立ち調教される様子も日常の光景として親しまれています。
ピエール・ドートルロー (Pierre Doutreleau) 1938-
独学での探求とピカソとの交流
1938年、南仏アルルに生まれる。13歳で絵筆をとり、1956年(18歳)には早くも初の個展を開催。特定の師を持たず、独学で芸術を追求しながら、ピカソをはじめとする巨匠たちからの助言を直接受けるという環境の中で、自らのスタイルを確立した。
1964年(26歳)のパリでの個展を皮切りに、ニューヨーク、シカゴ、マドリッド、ミュンヘンほか、各地で意欲的に個展を続ける。1968年(30歳)のアメリカ滞在中に「動き(ムーブメント)」と「スピード」の表現に着目し、視覚表現の新たな可能性を切り拓いた。
色彩の重なりと視覚の変容
作風は、視覚の変形をもとにした表現手法による「動」と「静」の調和に特徴がある。点は線へ、線は面になり、そして色は変化する。
完全主義者として知られる彼の作品は、リトグラフの場合、「ムーブメント」表現のテクニックと20色以上にも及ぶ色彩の重ね刷りを駆使し、緻密で調和のとれた色彩効果が生み出されている。
主な作品展示実績
オルセー美術館(パリ)、グッゲンハイム美術館(ニューヨーク)、テート・モダン(ロンドン)など。









